新着情報
    作品紹介
    音楽を愛する全ての世代に贈る、新たな音楽映画が誕生した!黒澤明監督の『生きる』(1952年)で主演・志村喬が歌った『ゴンドラの唄』、「カチューシャかわいやわかれのつらさ」という歌詞が爆発的な流行語となった『カチューシャの唄』、日本映画初のタイアップ主題歌『東京行進曲』、盆踊りの定番曲『東京音頭』、子どもからシニアまでが口ずさむ『シャボン玉』や『てるてる坊主』・・・。
    明治に生まれ、大正・昭和を生き、今も歌い継がれる童謡、歌謡曲、音頭、民謡まで幅広いジャンルの約2000曲を残した作曲家・中山晋平(1887~1952)。その生涯を、彼の音楽とともに綴っていく。
    晋平役は映画初主演となる歌舞伎俳優・中村橋之助。18歳から亡くなる65歳までを見事に演じきった。 『シャボン玉』などの作詞家、野口雨情役は三浦貴大。『東京行進曲』や『東京音頭』の作詞家・西條八十役は渡辺大。晋平の面倒を見る劇作家・島村抱月役は緒形直人。『東京行進曲』の歌い手で、晋平、雨情と〝全国歌の旅〞に出る歌手の佐藤千代子役は歌手としても活躍する真由子。奇しくも、名優を親に持つ二世俳優たちが物語を彩る。
    音楽を担当したのは、北野武監督の『その男、凶暴につき』の久米大作。中山の全曲はすべて新録音。エンディング・テーマ『ゴンドラの唄』は、俳優の上條恒彦が11年ぶりにレコーディングを行った。
    企画・プロデュースの新田博邦は音楽、映画作品を数多く手掛け、近年では鈴木紗理奈主演の『キセキの葉書』(2017年)、ベストセラー絵本を映画化した『ばあばは、だいじょうぶ』(2019年)、高橋長英、柳澤愼一主演の『兄消える』(2018年)を送り出している。
    監督は『ハチ公物語』(1987年)、『遠き落日』(1992 年)の名匠・神山征二郎。23年9月から年24年4月まで、中山晋平ゆかりの長野県内(上田市、長野市、須坂市、松本市、中野市、佐久市など)をロケし、明治、大正、昭和の東京、長野を再現。四季折々の自然、雄大な山々も切り取っている。
    物語
    信州に生まれ育った中山晋平(中村橋之助)は、少年時代に見た旅楽団のジンタに魅せられ、音楽の道に進むことを夢見る。18 歳の時に、早稲田大学教授・島村抱月(緒形直人)の書生になる機会を得て、上京。書生の仕事をしながら苦学を重ね、3年後、難関「東京音楽学校」に入学する。
    借金を重ねながらも卒業した晋平は、抱月の劇団「芸術座」の劇中歌『カチューシャの唄』を作曲することに。看板女優・松井須磨子(吉本実憂)が歌った曲は演劇と共に大ヒットし、女手ひとつで育ててくれた母ぞう(土屋貴子)を安心させることができた。
    しかし、母が突然、病で倒れてしまう。故郷へ急ぐが、死に目に会えなかった。悲しみに暮れる中、母への思いを込め、二曲目の劇中歌『ゴンドラの唄』を生み出す……。
    出演
    コメント
    石川雅之エッセイスト
    『ハチ公物語』、『白い手』など名だたる文芸佳品で知られる神山征二郎監督が83歳にしてメガフォンをとった一本。近代日本音楽史にその名を深く刻む作曲家中山晋平の生涯が時代背景とともに真っ直ぐに描き出されている。
    『ゴンドラの唄』、『シャボン玉』、『東京音頭』など今なお歌い継がれる名曲がどう世に送り出されたか。その経緯が奇を衒うことなく映像化されている。タイトルロールを担った中村橋之助の特筆すべき楷書の演技は見応え充分。本寸法の正統派伝記映画である。
    高崎俊夫編集者・映画批評家
    中山晋平は、大正末期から昭和前期にかけて「日本のジャズ・エイジ」を牽引した大衆的な娯楽音楽、すなわち流行歌というものを生み出した偉大な始祖であった。「カチューシャの歌」「ゴンドラの唄」をレコードに吹き込んで全国的なスターとなった松井須磨子のエピソードを端緒にして、菊池寛の原作による映画「東京行進曲」のためにジャズソングの手法を取り入れたモダンなメロディをつけ、同名主題歌を大ヒットさせた。さらには、帝都・東京の誕生を祝う盆踊り大会のために書き下ろした「東京音頭」の絶妙で祝祭的な旋律は未だに大スタンダードナンバーとして歌い継がれている。この映画はメディア・ミックスの先駆者であり、偉大なるメロディメイカーであった中山晋平の生涯をあざやかに描き切っている。
    奥山和由映画プロデューサー
    日本人の心の原点に久しぶりに出会えた。温かく懐かしく愛おしい、本来の日本映画で忘れてはいけない感情に溢れている。
    柴田あずさシネマコンシェルジュ
    劇中で思わず息を止めてしまうほどインパクトのあったシーンがある。それは次世代に残すという想いを元に書かれた「シャボン玉」を歌い上げた佐藤千代子役の真由子があるシーンで放った曲のオーラ。スクリーンを飛び出していたかのよう。これぞ音楽映画の見どころなのでは。
    植草信和元キネマ旬報編集長
    映画『シンペイ』は、明治、大正、昭和の時代に生きた山中の生涯を音楽とともに綴った一大叙事詩。彼の抒情性を育んだ信州の麗しい自然、音楽の才能を開花させた東京、共に失われた風景が山中ゆかりの上田市、長野市のロケーションで見事に再現されているのが大きな見どころだ。もちろん名曲創作のエピソードも興味津々。 傑出した「音楽映画」の誕生を喜びたい。
    児玉美月映画批評家
    誰もが耳にしたことがある美しいメロディを生んだ音楽家の人生とともに、同時代を生きたさまざまな女性たちの生き様が立ち上がっていく。献身、貪欲、高潔、洗練、情熱......この映画のなかで彼女たちもまた、誰もがひとつとして欠けてはいけない音符のように豊かな音色を奏でている。
    越前敏弥翻訳家
    観終わったあと、登場する作曲家・作詞家・歌手などの経歴をつぎつぎ調べ、作中で流れた名曲を反芻した。同じことをする人は多いにちがいない。百年に及ぶ歳月を経て、何千万もの人の心と体に旋律が染みついているのは、芸術は大衆の支持を離れてはならないという信条を守り貫いた主人公の正しさの証だろう。佐藤千夜子って、名前に聞き覚えがあったので調べたら、はるか昔の「いちばん星」のヒロインでしたか。上にも書いたとおり、いろいろ調べたくなる映画でした。
    小柳淳旅行作家
    劇作家、詩人、作詞家、歌手との出会いと葛藤。そして、大衆性を失わぬことと童謡や流行歌を芸術へ昇華させる苦闘。日本初の映画タイアップ曲東京行進曲の「いっそ小田急で逃げましょか」の詞が生まれた、時節との屈折した妥協の瞬間。その大ヒットした絶頂期に迎える新たな苦悩。演劇、レコード、楽譜、ラジオと、音楽をめぐるメディア変遷が新鮮に垣間見える。大正から昭和前期の激動する日本を舞台とする丁寧な映像が美しい。
    波多野健テレビプロデューサー/演出家
    「スタンダード」という言葉がある。いつの世も誰もが知っている曲のことである。中山晋平はまさにその「スタンダード」を何曲も世に出した男だ。中山は自身が作った「ゴンドラの唄」が使われた黒澤明の「生きる」を映画館で見た直後に倒れ、亡くなったという。明治、大正、昭和という激動の時代を、音楽をその礎として生きた彼の中に、時代は一体どう映っていたのだろうか…。
    森直人映画評論家
    海外からの影響を日本の心の旋律に合わせて昇華し、全方位的な大衆性に広げていく中山晋平の創造術。今日まで続く「新しい日本の歌」の源流を、平易に愉しく教えてくれる。こんな音楽映画を観たかった、と思う人は多いはずだ。
    生田みゆき演出家
    誰もが口ずさんだことのあるあの曲この曲にのせて描かれる、中山晋平と彼を取り巻く芸術家たちの人生。彼らの喜びや哀しみが、歌に更なる奥行きを与え、観る人の心に新鮮に響いてきます。懐かしい日本の景色と共に、歌の偉大な力が改めて心を揺さぶる音楽映画です。
    今関あきよし映画監督
    日本人なら誰もが馴染みのある楽曲が次々と流れ、その誕生秘話が丁寧に語られていく...
    そして主演の中村橋之助さんの真っ直ぐな瞳に引き込まれ、僕はいつの間にかスクリーンに没入していた。 神山征二郎監督の語り口が見事で、熟練職人の美しい所作を見ているようで、心から感動いたしました。
    珠城りょう女優・歌手 元宝塚歌劇団 月組トップ
    この映画を拝見して、いつの時代も作り手は人々の人生に歌や音楽が必要だと信じて作り続けているのだなと改めて感じました。 その思いは、表現する仕事をしている私も同じです。 そして、どのような時も生活の中には歌が流れていて、それぞれの人にとって大切な歌があるというのはとても素敵なことだと思いました。 見終わった後、心に暖かい光が灯るような映画です。
    鶴間政行放送作家
    久しぶりに心に沁みる映画と出会った。何故、沁みたのか考えた。 実は"シンペイ"の歌たちが、私の中にいたのだ。 皆んなの中にもいるはずだ。
    富澤一誠音楽評論家
    受けて立つ、すごい音楽映画!
    受けて立つ、という言葉があるが、一流の芸術家同士のコラボレーションはまさにそれと言っていい。作曲も作詞も単独で100点を追求するのではなく、作曲には作詞を生かす隙間を残しておき、作詞にも作曲を生かす隙間を残しておく。つまり、共にその隙間を生かしたときに歌が100点になるようにする。これが名人芸というもの。中山晋平、西條八十、野口雨情の天才トライアングルにはお互いにしのぎを削るすごさがある。この映画は芸術のそんな原点を教えてくれる素晴らしさがある。
    五木ひろし歌手
    日本歌謡史は今年110年を迎えましたが、その始まりは中山晋平作曲・島村抱月作詞「カチューシャの唄」と言われております。この歌がわが国の「流行歌」第一号と言われ、音楽的にも「それまでの日本のはやり歌にはなかった近代的なメロディーである」と評価されています。そして、大衆が生み出した流行歌は、現代まで多様な時代とともに変化し、人の生活に寄り添って来ました。いまこの時代に改めて先人の功績を感じられる映画作品が生まれたことに、歌手として嬉しく感じております。
    クレジット
    中村橋之助 / 志田未来 / 渡辺大  染谷俊之  三浦貴大
    中越典子  吉本実憂  高橋由美子 / 酒井美紀  真由子  土屋貴子
    辰巳琢郎  尾美としのり  川﨑麻世 / 林与一 / 緒形直人
    ナレーション:岸本加世子

    企画・プロデュース:新田博邦 / 監督:神山征二郎
    ゼネラル・プロデューサー:栁澤憲一郎 / エグゼクティブ・プロデューサー:丸山和敏
    脚本:加藤正人 神山征二郎 / 音楽:久米大作 / 撮影・編集:小美野昌史 / プロデューサー:旭正嗣 / 制作統括:石田史朗
    協力:中野市、上田市、須坂市、松本市、長野市
    後援:長野県 / 特別後援:公益社団法人 日本作曲家協会
    配給:シネメディア
    製作:「シンペイ」製作委員会2024
    中村橋之助
    志田未来
    渡辺大
    染谷俊之
    三浦貴大
    中越典子
    吉本実憂
    高橋由美子
    酒井美紀
    真由子
    土屋貴子
    辰巳琢郎
    尾美としのり
    川﨑麻世
    林与一
    緒形直人
    ナレーション:岸本加世子

    企画・プロデュース:新田博邦
    監督:神山征二郎
    ゼネラル・プロデューサー:栁澤憲一郎
    エグゼクティブ・プロデューサー:丸山和敏
    脚本:加藤正人 神山征二郎
    音楽:久米大作
    撮影・編集:小美野昌史
    プロデューサー:旭正嗣
    制作統括:石田史朗
    協力:中野市、上田市
    須坂市、松本市、長野市
    後援:長野県
    特別後援:公益社団法人 日本作曲家協会
    配給:シネメディア
    製作:「シンペイ」製作委員会2024